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林 信朗先生の文章!

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FBにて、林 信朗先生に素晴らしい文章を書いていただきましたので、紹介させていただきま

 

仕事柄、いろいろレセプション、パーティの類に参加させていただいてきた。
 だが、先夜のような服直し(アルタネーション)専門業の方のご本の出版記念パーティというのは生まれて初めてだし、そのお客さまの豪華さにも舌を巻いた。メーカー、セレブにプレス関係、どうしてみなここでニコニコしているのだろう。
 『Dr.久美子流 服のリフォーム術』はまだパラパラとしか拝見していない。それでも、著者の内本久美子さんとご主人がひきいる心斎橋リフォームが、メンズファッション愛好者の間でちょっとした「お直しブーム」を巻き起こしたことだけはたしかだ。それもわずか数年の間に。
 ファッションというと、誰もがデザイナーやメーカーが季節ごとに発表する新作を買い求めることだと思っている。際限なく買っては、部屋を服だらけにして、喜びながら困ってる。でも、ほんとうの、心の奥のところにある気持ちは「好きな服を長く着たい」じゃないのかな。ぼくはそうですよ。だって好きなんだもの。
 ちょっとばかり古びてはいるけど、生地もいいし、雰囲気が好き。そんな服を内本さんの店は「今感覚」で着られるように調整してくれる。だが心斎橋リフォームのユニークなところは、その技術の卓越だけではなく「直すことが自体が素敵なこと」と思わせてくれる点にあるとぼくはみる。だからショップも雑居ビルの一角ではなく、一等地で、設えもお洒落なのだ。一歩踏み入れれば、古い服も新しい服と同じように大切です、価値がありますという声がそこかしこからきこえてくるようなのである。
 「愛着」とは着(ちゃく)することを愛すこと──。パーティに参加したプロフェッショナルたちのニコニコぶりは、服と人との愛情関係を見事に蘇らせる内本さん夫妻の考え方と誠実な仕事ぶりへの敬意から来ているのだろう。

 

ありがとうございました。