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【J BLOG】パンツの裾上げの話

|リフォーム

今回はお客様からのリフォーム依頼で
最も多いパンツの仕上げについてです。


ジーンズやチノパンの裾の仕上げと言えば、
生地を三つ折りにした状態で一直線に縫う
通称「タタキ」が最も一般的です。
他には下糸をリンク状にしてステッチの強度を増す「チェーンステッチ」、
ダメージの出た裾部分を切り離して移植する「ハリツケ」、
最近は画像のような
ロールアップした状態で縫い留める仕上げも増えています。

カジュアルパンツの標準的な仕上げの為、
縫い幅・ステッチの太さやピッチ等々
アイデア次第で様々に楽しめると思います。

ウールやコットンのスラックスの仕上げは
縫い目を出さない「シングル」もしくは「ダブル」が一般的です。
デザイン・素材によるスタイル、裾幅を含むシルエットに応じて
選択されると良いでしょう。

「ダブル」はクラッシック・トラッドスタイルでは定番的な仕上げですが、
裾の折り返しによるデザイン上のアクセントという効果もあります。
「シングル」はシンプルでスッキリとした印象の為、
モダンスタイルの服との相性が良いです。

最後のコールパンツの画像がモーニング用の仕上げです。
モーニングの斜めにカットされたの裾デザインに合わせて、
コールパンツの裾も後ろ側を長くします。
折り返しなし、前側は必ずノークッションで仕上げるのが決まり事です。
フォーマルウェアに於いてはシワやオーバーサイズはNGです。

フォーマルの着こなし方が、
日常で着るドレススタイルの基準となりますので、
服を着るシチュエーションによってご自身で
「どこまでフォーマルに寄せるか?」ご判断ください。


いづれにしましても、
現代のファッションの中では「ルール」は知っていれば良いものであり、
決まり事を優先する必要は無いと考えて良いと思います。
お客様それぞれの「スタイル」で
仕様や仕上げ等のディテイルを楽しまれる事をオススメ致します。